沙弥の繰り言(237)

 2月8日の産経新聞の一面に、「ロシアのガルージン駐日大使は7日までに、産経新聞の斎藤勉論説顧問が北方領土に関して行った講演内容に対し、SNS(会員制交流サイト)を使って反論した」という記事が載っていました。

 斎藤氏の講演要旨を一部引用させていただくと、「北方領土については紛争ではなく、独裁者スターリンの指令による国家犯罪だ。日本のポッダム宣言受諾後、四島に入り込み、火事場泥棒的に強奪した」とあります。

 これに対するガルージン大使の反論を同様に紹介させてもらうと、「あなたは1945年に対日参戦したソ連を非難するのか。完全に合法的に行われた南クリール獲得を『犯罪』と呼ぶのか。あなたには歴史の教科書を開き、注意深く最後まで読むことをすすめたい」(同上)とあり、第二次世界大戦時に日本がナチスドイツの同盟国であったことを取り上げ、このヒトラー政権が多くの命を奪ったと述べ、「斎藤さん、あなたはこのことを忘れてしまったのだろうか」(同上)と反論しています。(注、ロシアでは、北方領土を南クリールと呼称している)

 大使の反論に対する斎藤氏の再反論も、78行のボリュームで、当日の紙面に掲載されていました。

 このような一連の記事を読むと、「歴史を学ぶというのは、意見を述べたり、反論されてもそれに堂々と応ずることができるようになることなのだ」とつくづく思います。
 あくまでも私の場合ですが学校での成果は、もちろん努力不足の結果です、1600年(一路麗々しく関が原)とか、1853年(いやでござんすペリー来日)などを記憶していたことが、講義などで少し役に立った程度です。

 もし、歴史の時間に、今回取り上げたような「反論のここはおかしいとあなたが思うところがあるようならそれを指摘し、大使の反論に対して再反論をしてみてください」というような問題が出されるようになっていたら、それもこういう授業が特異なことではなく、ごく普通なこととしてどこの学校でも行われるようであったら、先生は大変でしょうが、やりがいが大いにあったのではと思います。
 多分、日本史という科目のステータスも数段向上し、その存在も注目されていたのではないでしょうか。

 こういう授業で要求されるのは、文章を正しく理解する力だと思いますが、あるTV番組で、東ロボくんでお馴染みの新井紀子氏が、「AIに負けない、いやAIを使いこなすために」ということでしょう、読解力を高めるための授業を行っている様子が放映されていました。 

 途中でチャネルを合わせたため前後関係が分かりませんが、こんなことが機になったのでしょう、引き続き学校の先生が同様なことを現場で実施、それを何人かの関係者が参観、している様子も紹介されていました。
 教育の現場がこのように改善されはじめているようなので、各科目の勉強方法もどんどん変わっていくのではないでしょうか。

 印象深かったのは、どちらも、授業を受けている子供たちの目がきらきらしていたことです。 

 なお、再反論の内容に関心がおありの方や、特に、この記事で何かを行おうとする方がおられるようでしたら、部分的な引用だったり、私の読解力の不足で要旨を取り違えているかもしれませんので当日の新聞を入手し、それを元に展開していただくよう付記しておきます。 

 


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