沙弥の繰り言(229)

 少々気が滅入る話から始めますが、私たちの国とは異なる主義を持つ国の武装戦闘員が、日本海沿岸の某所に上陸しようとしているのを監視システムが捉えたとします。
 当然、自衛隊が出動し、火器を使うなどして上陸を阻止することになりますが、すんなりとことを運ぶことができないかもしれません。

 そうです、日本は「専守防衛」が国是の国ですから、相手が発砲した後でないと攻撃できないからです。
 よく取り上げられる憲法第9条を根拠に「自衛隊はそもそも憲法違反なのである」と叫ぶ憲法学者がいても、「それは間違っている」と断言できないこと、都度、憲法の解釈でどうにか現状に合わせてきていることもご承知の通りです。

 日本国憲法が現実と乖離しているのだと思います。
 このような事情を知っているからでしょうか、堂々とちょっかいをかけてくる国があるのも昨今の状況です。

 安倍首相は今年の2月14日に開かれた衆院予算委員会で、専守防衛について自民党と希望の党の質問に答えています。
 新聞によると、「首相は、専守防衛について『相手からの第一撃を事実上甘受し、国土が戦場になりかねないものだ』と述べた。また、ミサイル技術の進展で命中精度が高まっているとし、『攻撃を受ければ回避するのは難しく、先に攻撃した方が圧倒的に有利になっているのが現実だ』とも語った。その上で、相手の射程外から発射できる長射程の巡航ミサイルの導入について、専守防衛を堅持しつつ自衛隊員の安全を確保するために『必要不可欠』と強調。敵基地攻撃を目的としていないと説明した」(産経新聞。2月15日)とあります。

 以前ここで、改憲に賛成する理由の一つとして、「憲法の前文に、『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して云々』とあるが、残念ながらそういう国ばかりではない、現実は違うのではないか」という指摘を取り上げました。
 しかし、変わっていませんので、「この前提に従って、『相手が困るようなことを私たちがしなければ、滅多なことはされない』という理解で問題ありません」ということなのでしょう。  

 先回は、憲法記念日の番組を取り上げましたが、そこで紹介されていたNHKの世論調査「憲法を改正する必要があると思うか」の結果を参考までに掲げると、「必要ある」29%、「必要ない」27%、「どちらとも言えない」39%でした。
 そして、番組内での傾向でしたが、「改憲が必要」は若い人の方に多かったと述べました。

 まだ取り上げたいいくつかの想いがありますが、関連することを「プロが扱うとこうなる」という記事を見つけたので、引用させてもらいます。
 「日本が安全保障と国民の人権を本当の意味で重んじ、国際社会の平和と繁栄に対する責任感を持っていれば、専守防衛といった憲法9条に基づく偽善はとうに改めていたはずだ」(略)「そうならなかったのは、敗戦を経た戦後の日本人が、無責任で意気地がなかったからであろう。万一の場合に戦う態勢も覚悟も整えない人任せの日本は懲罰的抑止力を示せない」(略)「弱肉強食の時代を必死に生き抜いた明治の日本人が、子孫である私たちを見たら言葉を失うだろう」(産経新聞。6月12日)です。

 悔しいですが、反論できないのではないでしょうか。
 でも、記事にもあるように、私たちの先祖は度々このようなことにぶつかっても賢く切り抜けてきました。
 難しいでしょうが、もし、そのDNAが残っていれば解決できると私は思います。 


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