「信長とコンピュータ」「近江商人とコンピュータ」に続く、三冊目のコンピュータシリーズ「日本の文化とコンピュータ」は、趣向を変え、情報化の講演会(ゼミナール)の様子を収録した内容を、読み物としてまとめたかたちにしています。




 ユーザ向けに開催された講演会の前半は、情報化のコンサルタントであるオランダ系アメリカ人による講話。
 後半は、この講師と講演会に参加している経営者層の方々や、それに、めざとくこの講演会を知り、参加したベンダーなどとの質疑応答の二つの場面で構成しています。

 オランダ系アメリカ人を講師にした理由は二つあります。
 一つ目は「何だかんだ」と言っても、残念なことですが、情報化をリードしているのは「日本ではない」と言えそうですので、「講師はその実力の背景を持っている国で活躍している実務家が望ましい」ということ。
 また、もう一つの理由は、外国人を講師にすることで、「言いにくいことがずけずけと言える」と考えたからです。
 お客様を増やすなどの「効果を生み出すための情報化」に目を向け、取り組んでいただくには、「こういうことは伏せる」とか「当たり障りのないように抽象的な内容にする」などの慣習を踏み越える必要があると思ったためです。

 文化の違いを逆手に取った企ては、特に、第二部の「問答」の場面で発揮されていると思います。

 この文化ということでは、講師の先祖が幕末の頃来日し、日本の文化に触れ感動するシーンがあります。
 それは、当時オランダに課せられていた「商館長は、江戸に行って将軍に面会し、日本との貿易を許されていることへのお礼として様々な品物を献上する」という行事がありましたが、この「江戸参府」に先祖が商館長の書記として随行した時、市井の人たちがごく自然に「傘かしげ」を行っているのを見た時です。

 「傘かしげ」と言うのは、傘を差した人たちがすれ違う時、お互いに傘を片方、相手の反対側、に傾ける動作ですが、これを見たことがきっかけで、先祖は日本の文化に関心を持ち、精力的にそれらを記録していきます。

 後に、講師がこの記録を読み、取り入れた経験から「日本の文化が『効果を生み出すための情報化』を創り・運用する時に、きわめて有効に働く」ということをこの講演会で説いていきます。

 事例を盛り込んだその辺りは、ぜひお読みいただきたいところです。


 「信長とコンピュータ」と「近江商人とコンピュータ」でも述べていることですが、「お客様を増やすなどの『効果を生み出すための情報化』に取り組んでいる割合は、日本は少ない」という調査結果があります。
 この事実と、先の「日本の文化がこのような情報化を創り・運用する時にとても役に立つ」と言う話しを、どうからめたらよろしいのでしょうか。
 「お客様を増やす」ということは誰もが望んでいると思いますし、「それに取り組む条件も揃っている」と言ってもよろしいのに、取り組んでいない。

 こんな不思議な状況を少しでも壊そうと思い、真正面からぶつかってみた読み物です。


 「『効果を生み出すための情報化』に取り組んでみよう」と思っておられる経営者層の方々や、「その支援を」と考える皆さん、また、「いろいろ教わったが、この辺りで情報化というものを整理する必要があるな」などと感じておられる方にも読んでいただきたい、フィクションものの一冊です。

 ボリュームは、30×40のフォーマットで111ページです。
 ISBN978−4−9905703−4−7

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